nagi1000337の備忘録

一人のオタクの備忘録

Melty fantasiaの雨についてのお話

こんにちは

ブログの背景を変えてみました。少しはオサレになったかと思います。

 

 今回はEScapeのキービジュアルにて降っている雨についてお話をしたいなと重います。

 実はこれは過去にも似たような話をしてはいるのですが、あの頃は正直あまりブログを使いこなせていないし、わかりにくいかなって思った+まだあまり浸透していない話なのかなと重い、半リメイクみたいな形で書いてみようと思っています。

 出来る限りわかりやすく、そしてさくっと読めるように短く簡単にまとめようと思います。

 ちなみに、タイトルがEScapeではなくMelty fantasiaにしているのは、Twitterの検索にEScapeが引っ掛からなくてMelty fantasiaは引っかかるからです。

 

 

 

はじめに

 EScapeとは、アイドルマスターミリオンライブの中で登場するユニットの名前で、真壁瑞希、白石紬、北沢志保の三人で編成されています。舞台は近未来で、アンドロイドが平和の為に人間に変わって統治や仕事をしている世界のお話です。

 詳しくは実際にCDを買って、ドラマCDを聞きましょう。値段以上の価値は保証しますよ。

youtu.be

↑公式で挙げられているミリシタのPV

 

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今回は、このキービジュの中で降っている雨について考察を披露しようと思います。

 

 

ドラマCD上の雨について

 まずは、ドラマCDでの雨の立ち位置について確認をしてみようと思います。

 ドラマCD上で雨の降るシーンは、二つ。初めのシーンとラストシーンです。まあ、この二つは場面自体は全く同じなので、大差はありません。そして、このシーンこそがキービジュアルになっているシーンでもあります。

 

 まず、物語では登場人物の心情が天候によって表現される事が多くあります。嬉しい時にははれ、悲しい時には雨と、直感的にわかりやすく伝わる為によく使われる手法です。

 つまり、雨は悲しみのメタファー*1として用いられるという事です。

 この物語でも、その例に漏れず悲しいシーンである、三人の死という場面で雨が降っています。

 つまり、一つは悲しみのメタファーとして用いられている雨という事です。

 

 しかし、実はこれだけではありません。というのも、この涙は涙の変わりもしてくれているのです。

 EScapeの三人はアンドロイドです。物理的に涙を流す事が出来ません。

 しかし、物語を経て三人は”感情”を得ました。つまり、喜ぶことも、悲しむことも出来るようになりました。

 人は悲しい時には涙を流すものです。

 しかし、彼女たちには涙を流す機能が備わっていない。大切な人の死を前に、涙を流せない彼女たちに降り注ぐ雨。それは、きっと涙の代わりをしてくれたことでしょう。

 

Melty fantasiaから切り込んだの雨について

 次に、表題曲であるMelty fantasiaから切り込んだ雨を紹介します。

 最初に結論を言ってしまうと、この雨はキサラギチハヤの、そして三人の願いが結実した証としての意味が込められています。

 では、どうしてそうなるのかを説明しましょう。

 

 まずはMelty fantasiaというタイトル。

Melty→溶けやすい

fantasia→ファンタジー(御伽噺)

となります。これを、頭に入れておいてください。

触れようとすると 消えちゃいそう

臆病で 儚い燈火(ひかり)

チクリと胸を刺す痛みを 

隠すため 背を向けた

Melty fantasia 作詞 モリタコータ 作曲・編曲 小高光太郎

凍えそうな 輝きも

抱きしめれば 響くから

Melty fantasia 作詞 モリタコータ 作曲・編曲 小高光太郎

幾千の星の中から 舞い降りた淡い煌き

Melty fantasia 作詞 モリタコータ 作曲・編曲 小高光太郎

 

 Melty fantasiaの歌詞では、雪を思わせる描写が多く存在しています。そして、それは何に喩えられているかというと、fantasiaに喩えられています。

 それは、歌詞とドラマの内容を組み合わせてみればそう捉える事が出来ます。

 一例をあげるのなら、一番上の引用。

 ”チクリと刺す胸の痛みを隠す為背を向けた”

人はよく「心が痛い」なんて表現を使いますが、この”チクリと刺す胸の痛み”はこの類のものでしょう。

 それはその痛みを隠さなければいけないからです。物語において、心は忌み嫌われる存在として扱われています。

 つまりこの歌詞は、 心が痛み=感情の芽生え を表現しているのです。

 

そしてその前に

”触れようとすると消えちゃいそう

  臆病で儚い燈火”

とあります。

 つまり、心という存在を持つ彼女が触れようとすると、それは簡単に溶けてしまいそうなものなんです。

 そしてタイトルMelty fantasia。意味は溶けやすいファンタジー

 つまり、ファンタジーは心によって溶けたとも言える訳です。そして、物語上で心によって溶けた(壊された)ものと言えば、マザーによる御伽噺のような支配です。これは、キサラギチハヤと三人のアンドロイドが変えたかったものに他なりません。

 そして、それは雪のような描写をされています。雪が溶けると雨になる。つまり、あの雨は三人の心の芽生えによって雪の溶けた、つまりは三人の願いが成就された証の雨でもある訳です。

 

まとめ

 Melty fantasiaの雨には大きく三つの意味が込められています。

・三人の死という悲しみのメタファーとして用いられている雨

・涙を流せない三人の涙の代わりをしている雨

キサラギチハヤとEScapeの三人の願いが成就した証としての雨 

 

 そして、EScapeは、これらがたった一枚のキービジュアルとMelty fantasiaという曲から表現されているという点で、とても美しい物語となっています。

 しかし、この物語の魅力はまだまだ詰まっています。

 私も気分が乗ればまだまだ語っていきたいですし、もしこれで興味を持って下さった方は、今度は自分で見つけてみるのも非常に面白いですよ。

 それでは、また縁があれば。

 

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*1:隠喩